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クライアントインタビュー
コンサルタント 森英樹様


今回は、経営コンサルタント森英樹さん(写真左)にお話を伺いました
(聞き手:セールス・ジャーナリスト 村中明彦)


森英樹氏略歴

急成長中堅企業で最年少事業部長を経験した後、経営コンサルタントに転身。主に年商数十億未満規模のベンチャー・中小・中堅企業のための経営戦略構築を専門領域とする。1999年10月より執筆を開始したメールマガジン『経営戦略考』は2005年5月現在で約5万6千人もの購読者を持つ、ビジネスメルマガの“定番”である。

著書:

「朝15分の経営戦略考 日経で鍛える儲けのチカラ」、「週末起業完全マニュアル(共著)」、「社長に贈る51の質問(監修)」、「ブライダルビジネス『勝ち組』営業政策と経営指針」、「起業のネタ!」など

森英樹氏

株式会社アンテレクト 代表取締役社長

自分とは全く異なる
アプローチだった
水野メソッドへの評価

-- 水野浩志の第一印象はいかがでしたか?

水野さんとは、ある交流会で知り合いましたが、少し話しただけで「自分とは違う何か」を持った人だと分かりました。しかも、違ってびっくりしてそれで終わりということではなく、その違いを取り入れて、自分の仕事に化学変化を起こさせたくなるような、そんな「欲しくなる違い」を持っている人という印象でした。


-- 森さんとはどのように違っていたのでしょうか?

私と水野さんとでは、「伝えること」に対するアプローチが異なっていました。私は、基本的にはロジカル一辺倒の人間です。水野さんと会う前も、数多くのセミナーを行いましたが、そこで気をつけていたことは「プロットを立てて、整理して、わかりやすく話す」ということです。もちろん人間相手に話すことですから、感情にも訴えなければなりませんが、それについても「わかりやすく説明すれば、内容が伝わるだろう。内容が伝われば感情にも訴求するだろう」という考え方をとっていました。


-- 一方、水野浩志の場合はどうだったのでしょうか?

彼もロジカルはもちろん重視していますが、それ以上に、聞き手の感情を重視するスタイルを取っていました。セミナーの設計においても、この場面でこういう事を話せば、それが聞き手の感情に、こういう変化を与えるはずだから、ということは次に話すべき内容はこれであるべきだという設計方法です。私のプロット設計は、「伝えるべき事」が要素としてあって、それをどの順番に並べるかというスタイルですが、水野さんの場合は、「聞き手の感情変化」も一つの要素として捉え、それをもプロットに取り込んでいくという設計方法でした。

論理的でわかりやすいだけ
では伝わらないもの。
それを伝える方法を学ぶ。

-- その手法を知った時、どう思われましたか?

正直なところ、そんな設計方法は、水野さんと会うまでは考えもしなかったので、大変、新鮮に思いました。これまで考えもしなかったことを知って、そして納得した。これは「気づき」といえます。そしてこの気づきを得た事で過去の自分のセミナーに対する評価も変わりました。


-- どのように変わったのでしょうか?

これまで私は「論理的でわかりやすいセミナー」を心がけてきており、クライアントからも「森さんの話はわかりやすいですね」という評価を得ていたので、自分の方針は正しいと考えていました。しかし、別の視点で考えるならば、それは「説明が上手ですね」という評価以上でも以下でもないとも言えます。


-- 「論理的でわかりやすい」のならそれでいいような気もするのですが…

では、例を挙げてご説明しましょう。私はプレゼンの場合は、パワーポイントを多用する方ですし、どちらかといえばレジュメも詳細に書き上げるタイプです。そしてスライドを進めながら、はい次、はい次と進めていくわけですが、これは一歩間違えると、テキストに書いてある事をただ説明しているだけということにもなりかねません。そうではなく、話にスライドが追いついてくるような、話していることが、親切にスライドやレジュメに書いてあるような、そういうプレゼンが良いプレゼンです。これは「論理的でわかりやすい」というだけでは達成できません。


-- なるほど

この事は、コンサルティング会社に勤務していた頃にも教わっていたので、頭では分かっていました。しかし、具体的にどうすれば、そういう「良いプレゼン」が実現できるのかは分からなかった。そのノウハウを体系的に提示し、指導してくださったのが、水野さんということです。

セミナー講師としての自分に
ブレイクスルーを感じた体験

-- そのノウハウが仕事の中で結実した経験はありますか?

2005年1月に行った「学びを稼ぎに変える方法」セミナーは、自分の中でブレイクスルーを感じたセミナーでした。また最近の例で言えば、速聴で有名なSSIに依頼されて行ったセミナーも上手くいった例の一つです。私は、経営コンサルタントとしての「ノウハウ伝達型」のセミナーは多くの経験はありましたが、その時、依頼されたのは「モチベーション促進型」のテーマで、そういうセミナーはこれまで経験がありませんでした。プロット作りに非常に苦労した記憶がありますが、要所要所で、水野さんのコーチが役に立ちました。


-- そのセミナーは結果としてどうだったのでしょうか?

その会社からは、同じ内容で今後も講演をしてほしいという依頼がありました。個人的にもベストパフォーマンスが出せた感がありましたが、リピート講演依頼という形で第三者の評価を得られたのは、おそらくセミナー講師として“一皮むける”ことができた結果だろうと解釈しています。

コンテンツ構築術としての
水野メソッドへの評価

-- その他、水野浩志とは、カリキュラム・コンテンツの 作成を共にやったと伺いました。


私の別事業である「銀座コーチングスクール」のカリキュラム再構築を水野さんと共に行いました。意見が合わない部分は多くありましたが、こちらとしては水野さんの「違ったアプローチ」、「違った発想」を取り入れようとしているわけですから、意見が合わない部分こそが価値の中核といえます。


-- とは言っても、あまりにも意見が違いすぎるのも収拾がつかなくなるような気がします。


そうですね。たしかに、こちらとしても水野さんの意見をすべて採用するわけではありません。しかし、そのあたりは、要所要所で、水野さんが「程合い良く折れてくれる」のが良かったですね。

水野さんの指導力を
フル活用するには

-- 森さんは、水野浩志のセミナー構築メソッドを取り入れることで、『結果を出す』ことができました。ところで水野コンテンツ・メソッドは誰にとっても有効なのでしょうか?

なかなか難しい質問ですが、二段階の条件があると思います。一つは「自分にある程度の蓄積があること」、もう一つは「自分を開示する意志、勇気があること」です。


-- 一段階目「自分にある程度の蓄積があること」について詳しく教えてください。

人は何かのきっかけがあれば瞬時に開花します。私の場合は「経営戦略考」というメルマガを書いたことがきっかけで、世に出ることができました。ですが、自分自身の能力やありようは、メルマガを始める前と後とで、特に変わったということもないのです。このように能力が同じでも、人目に触れる場所にいるかいないかということだけで、世間の評価が変わってきます。ですが、どんな人でも、人目に触れる場所に出れば、評価が上がるのかというとそんなことはありません。


-- それが「あらかじめ自分に何らかの蓄積がないといけない」ということでしょうか。

そういうことです。私の場合はメルマガがきっかけで自分のそれまでの蓄積を世に伝えることができました。またセミナー講師としては、水野さんとので出会いがきっかけで、一段上のステージに上がることができました。ですが、そうしたきっかけを生かせたのは、やはり自分に「あらかじめの蓄積」があったからだと考えています。


-- コンテンツ構築メソッドを生かすには、まず自分にコンテンツが存在していなければならないということですね。

しかしながら、実はどんな人にもある程度の蓄積、コンテンツは必ずあります。どんな人でも一生に一冊の本を書くことができるという言葉があります。生きていることはそれだけで蓄積なのです。


-- 二段階目の「自分を開示する意志、勇気」とはどういうことでしょうか?

誰の中にも蓄積があるということを今、述べました。その蓄積を形にして外に出したいのであれば水野さんの指導を受けることは有効でしょう。もしその時、充分な水準に達していない場合でも、彼の指導を受ければ、人に伝えるために何が足りていないのかがはっきりするので、補強のための努力目標が立てやすくなると思います。ただしその場合でも、必要なことがあります。


-- それが「自己を開示する」ということでしょうか?

そういうことです。水野さんは、人の中の蓄積を開花させるプロですが、やはり最初の一歩をこちらから踏み出さないことには話が動き出しません。ですから、思い切って水野さんに自らを開示する意志、勇気が必要でしょう。


-- 自らを開示する……難しそうですね。

確かに難しいことだと思います。ですが水野さんが上手いというか優れていると思うのは、著作その他で、自分の弱みを、先に開示していることですね。相手を開こうと思うなら、まず自分が先にオープンにならなければなりません。そうしたことが自然にできる指導者はいそうでいないものですが、水野さんはその数少ない一人だと思います。ですから自らを開示する思い切りさえあれば、誰でもある程度の結果は出せると思います。


-- なるほど。今日は貴重なお話をありがとうございました。